知らない番号から電話がかかってきて、思わず出てしまったことはありませんか?
最近特に増えているのが、「+991」で始まる国際電話番号からの着信です。
今回は、この+991という番号の正体や、詐欺の可能性、そして万が一出てしまったときの対応について、わかりやすくお伝えします。
+991ってどんな番号?実はもう使われていない番号なんです
「+991」という番号について調べてみると、驚くべきことがわかります。
実は、この番号は現在公式には使われていない番号です。
もともとは「国際電気通信公衆通信サービス(ITPCS)」という仕組みの一環で、試験的に運用されていましたが、このサービスは2021年に終了しています。
つまり、今「+991」から電話がかかってくる場合、それは番号を偽装して発信されている可能性が高いということになります。
国際電気通信連合(ITU)の公式サイトでも、この番号がすでに無効であることが確認されています。
なぜ使われていない番号から電話がかかってくるの?
その理由は、「スプーフィング」と呼ばれる技術にあります。
スプーフィングとは、実際の発信者とは異なる電話番号を相手に表示させる技術で、専用のアプリや特殊なSIMカードを使って、国際電話番号を装うことができます。
特に2023年以降、こうした技術を悪用した詐欺電話が増えてきていると報告されています。
アプリを使えば、同じ端末からでも毎回異なる番号で発信することができるため、より警戒が必要です。
見知らぬ+991番号からの電話は詐欺の可能性大!理由と料金に関する注意点
はじめにお伝えしておきたいのは、「+991」からかかってくる電話は詐欺の可能性が非常に高いということです。
というのも、この番号は現在は正式に使われておらず、すでに無効とされています。
そもそも存在しない番号を使って連絡してくる相手に、正当な用件があるとは考えにくいですよね。
では、もしうっかり電話に出てしまった場合、料金が発生するのではと心配される方もいらっしゃるかもしれません。
ご安心ください。日本の電話契約では、基本的に着信側に料金がかかることはありません。
通話料金は発信者が負担する仕組みなので、電話を受けただけで料金が発生することはないのです。
ただし、注意が必要なのは折り返しの電話です。
もし「+991」にかけ直してしまうと、その通話は有料となります。
さらに、この番号はすでに無効なため、別の海外番号へ転送され、高額な国際通話料金を請求される可能性があります。
絶対に折り返し電話はしないようにしてくださいね。
また、「今は手が離せないので後でかけ直してもらえますか」などと、こちらから電話をかけさせようとする手口も増えています。
そうした誘いには乗らず、電話番号を教えることも避けるようにしましょう。
+991番号から電話がかかってくる理由と、適切な対応方法
「なぜ私に+991から電話が?」と驚かれる方も多いと思います。
ここでは考えられるいくつかの理由をご紹介します。
無作為に発信されているケース
多くの詐欺電話は、自動ダイヤルシステムを使って無作為にかけられています。
個人を特定して狙っているわけではない場合がほとんどなので、過剰に心配する必要はありません。
過去の情報が悪用されている可能性
以前に詐欺被害に遭った、あるいは怪しい電話に応答した経験がある方は、電話番号が「カモリスト」と呼ばれる名簿に載っている可能性があります。
こうしたリストは闇ルートで売買され、新たなターゲット探しに悪用されることがあります。
アポ電強盗の下調べでかかってくる場合【要注意】
特に注意が必要なのが「アポ電強盗」という手口です。
これは、強盗に入る前に電話をかけ、家族構成や財産の有無、在宅状況などを確認する目的で行われます。
2019年頃から被害が増加し、中には重大事件に発展したケースも報告されています。
もし電話で「今家にどなたがいますか?」「高価なものをお持ちですか?」といった不自然な質問を受けた場合は、すぐに通話を終え、家族や警察に相談するようにしてくださいね。
+991からの電話に出てしまったときの対応ガイド
1. すぐに通話を終える
「おかしいな」と感じたときは、無理に相手の話を最後まで聞く必要はありません。
迷わず、その場で電話を切ってしまいましょう。
2. 着信拒否の設定をする
同じ番号からの再着信を防ぐために、お使いのスマートフォンでブロック設定をしておくことをおすすめします。
ただし、相手側は別の番号を使ってかけ直してくることもあるため、完全に防げるわけではない点も覚えておきましょう。
3. 個人情報を絶対に教えない
名前や住所、家族の状況、財産の有無といった個人情報は絶対に伝えないようにしてください。
たとえ相手が「警察です」や「銀行の者です」と名乗っても、すぐに信用せず、慎重な対応を心がけましょう。
4. 警察に相談する
被害が出ていない場合でも、警察に情報を届けることで、被害の拡大を防ぐことができます。
最寄りの警察署や、警察相談専用ダイヤル「#9110」に相談してみてくださいね。
5. 家族や身近な人に相談する
不安を一人で抱え込まず、家族や友人に相談することも大切です。
特に高齢のご家族がいる場合は、周囲の人たちが注意を促し、声をかけ合うことが被害防止につながります。
ちなみに、電話番号の先頭に「+」がついている場合、それは国際電話の番号です。
警察庁の調べによると、特殊詐欺に使われる電話番号のおよそ7割が国際番号だそうです。
そのため、見覚えのない「+」から始まる電話には出ない、もしくは事前にブロック設定をしておくことを強くおすすめします。
詐欺電話から身を守るための最新対策とよくあるご質問
詐欺の被害を防ぐうえで最も大切なのは、「知らない番号からの電話には出ない」ということです。
特に、「+」マークが付いている国際電話番号は、詐欺に悪用されるケースが多いため、特別な注意が必要です。
最近のスマートフォンには、迷惑電話対策の機能が充実してきています。
たとえばGoogle Pixelシリーズには「通話スクリーニング機能」が搭載されており、自動音声が応答して相手の名前や用件を確認し、不審な電話は自動で拒否してくれる便利な仕組みがあります。
また、固定電話をお使いのご家庭、特にご高齢の方がいらっしゃる場合は、防犯機能が付いた電話機の導入もおすすめです。
このような電話機は、着信の前に注意喚起のメッセージを流したり、迷惑電話を自動でブロックする機能が備わっています。
さらに最近では、「個人情報が流出しています」「クレジットカードが不正利用されています」といった、不安をあおる内容の電話が増えています。
こうした連絡を受けたときは、慌てず一度電話を切り、公式サイトに掲載されている連絡先に自分から確認の電話をかけるようにしてください。
Q&A:その他の国際電話番号の詐欺例について
「+991」以外にも、詐欺電話がかかってくる可能性のある国際番号が報告されています。以下はその一例です。
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+42番台:スロバキア(+421)、チェコ(+420)、リヒテンシュタイン(+423)
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+94:スリランカ
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+1:アメリカ・カナダ(続く番号は市外局番)
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+800:国際フリーダイヤル(特定の国ではなく、国際共通のサービス番号)
これらの番号から着信があった場合も、思い当たる用件がなければ出ない方が安心です。
また最近では、警察や銀行などを装った「なりすまし詐欺」も増えています。
少しでも不安を感じた場合は、すぐに通話を終了し、公式ホームページなどで正しい連絡先を確認したうえで、自分から電話をかけ直すようにしましょう。
新たな詐欺の手口にご注意を!SMSやメールを組み合わせた巧妙な詐欺
最近増えている詐欺の手口として、電話だけでなくSMS(ショートメッセージ)や電子メールを組み合わせた「複合型詐欺」があります。
たとえば、「あなたの銀行口座が不正利用されています」といった内容のSMSが届き、その直後に+991などの国際番号から電話がかかってくる、といったケースです。
複数の連絡手段を使うことで、あたかも信頼できる相手であるかのように思わせ、相手をだまそうとするのがこの詐欺の特徴です。
このような詐欺には十分な警戒が必要です。
怪しいSMSやメールを受け取ったあとに見知らぬ番号から電話がかかってきた場合は、詐欺の可能性を強く疑うようにしましょう。
最後に
+991の番号は、かつて「国際電気通信公衆通信サービス」の試験用として使われていましたが、2021年にその運用は終了し、現在は無効な番号となっています。
つまり、現在この番号からの着信があった場合、それは詐欺の可能性が極めて高いと考えてよいでしょう。
もし万が一+991からの電話に出てしまった場合は、すぐに通話を終了し、着信拒否設定を行い、必要に応じて警察に相談することをおすすめします。
詐欺から身を守る基本は、「知らない番号、特に『+』で始まる国際電話番号には出ない」という心構えを持つことです。
また、ご家族、とくにご高齢の方にも日頃から注意を促し、被害を未然に防ぐための意識づけをしておくことが大切です。