毎年5月5日の端午の節句は、五月人形や兜、そして鯉のぼりを飾る、家庭にとって特別な日です。
ただ、五月人形や兜をどの期間飾れば良いのか、最適な場所はどこか、具体的にはどうやって設置するのが正しいのかといった疑問を持つ人も少なくありません。
端午の節句を迎えるにあたり「五月人形や兜を飾らなくては」と考えていても、いつのまにかその時期を逃してしまうこともあるでしょう。
そうならないためにも、五月人形や兜をいつからいつまで飾るべきか、どのような場所に設置すべきか、そしてその設置方法について、この機会に詳しく学んでみましょう。
端午の節句と五月人形:飾り始めと片付けのタイミング
いつから兜を飾る?
端午の節句を彩る兜や五月人形の飾り付けに適した時期は、伝統に則りながらも柔軟に設定することができます。
- 最初の節句の際は、兜が手元に届いたらすぐに飾り始めるのが一般的です。
- 2回目以降の節句では、4月中旬頃から飾る人が多いです。
「特定の日に飾らなければならない」という厳密なルールはなく、自分たちのライフスタイルに合わせて決めることができます。
ですが、せっかくなら長く飾って楽しみたいという気持ちもわかります。
そういった場合は、3月の桃の節句が終わってひな人形を片付けた後に飾り始めるといいでしょう。
少し早めの飾り付けですが、五月人形を存分に楽しむための提案です。
日付の吉凶を考慮する場合、以下のように選ぶのがおすすめです:
- 先勝:午前中に飾る
- 友引:時間を問わず飾る
- 先負:午後に飾る
- 仏滅:避ける
- 大安:いつ飾っても良い
- 赤口:昼間に飾る
なぜ兜や鯉のぼりを端午の節句に飾るのかについては、以下の記事でも解説していますので、ぜひご参考にしてください。
5月5日に込められた願い「子供の日」の意味と起源!なぜ鯉のぼりや兜を飾る?端午の節句にまつわる食べ物とは
兜はいつまで飾る?
飾り始めが決まれば、次に考えるのはいつまで飾っておくかです。
兜や五月人形をしまう具体的な期限は設けられておらず、それぞれの家庭のスケジュールに合わせて決められます。
ただ、湿気を避ける意味で梅雨入り前の晴れた日に片付けることを推奨します。
そのため、5月の終わり頃までにはしまうと良いでしょう。
ひな人形に関するような特別な言い伝えは五月人形にはないので、飾る期間を気にする必要はありません。
中には一年中飾っている家庭もありますので、飾る期間は自由に決めて大丈夫です。
端午の節句と五月人形:どこに飾る?
五月人形や兜を飾る場所は、家の中で子供の健やかな成長を願う思いを込めて選びます。
通常、家族の幸せや健康を願って、目につく高い位置に置かれることが多いです。
理想は床の間ですが、現代の住宅ではそのようなスペースがないこともあります。
その場合、リビングの棚やタンスの上など、目立つ場所に設置するのがおすすめです。
我が家では、和室の床の間のスペースに季節ごとの飾り物を展示しています。
また、五月人形や兜が長持ちするように、直射日光は避けたいものです。
太陽の光に長時間さらされると、色あせしてしまうからです。
五月人形の兜を飾る手順
五月人形の兜を飾るのは少し手間がかかりますが、子供が小さいうちに家族の伝統として一緒に楽しむことができます。
子供が大きくなると飾りたがらなくなるかもしれませんので、喜んでいるうちに飾ってあげましょう。
飾り方のステップは以下の通りです。
まずは飾り台の準備から
1. 飾り台をしっかりと設置します。
2. その飾り台に屏風を配置します。
3. 弓と太刀も飾りますが、太刀は柄が下になるように注意しましょう。
次に、兜をメインに飾ります
4. 兜を置くための芯木を箱の上に設置します。
5. 芯木の上には、特別な布である袱紗を広げます。
6. 兜に先にツノを取り付け、デザインによってはさらに装飾を加えます。
7. 完成した兜を慎重に袱紗の上に置きます。
8. 最後に、兜が収められていた箱を飾り台の上に置いて、展示完了です。
飾る前に、箱の中での兜の配置を写真に撮っておくと、後で片付ける時に便利です。この小さな工夫で、端午の節句の後の片付けがぐっと楽になりますよ。
まとめ
端午の節句に五月人形や兜を飾ることは、子供の成長と健康を願う大切な日本の伝統です。
飾り始めは、個々の家庭のスケジュールに合わせて柔軟に決められますが、初めての節句なら兜が届いた直後、それ以降は4月中旬からが一般的です。理想的には床の間に、またはリビングの目立つ場所に展示し、直射日光を避けることが重要です。
飾る手順には少し手間がかかりますが、家族で一緒に飾り付けを楽しむことで、伝統を次世代に受け継ぐ意義深い行事となります。
飾り終わりは5月末までに梅雨入り前の良い天気の日を選ぶと良いでしょう。
このように五月人形を飾る行為は、ただの飾り付け以上の意味を持ち、家族の絆を深める素晴らしい機会となります。