桃を使ったスイーツで人気の「ピーチメルバ」には、魅力的な歴史があります。
また、「メルバ」という名前を持つ他のスイーツや食品についても話題になっています。
この記事では、ピーチメルバについて、以下の内容をご紹介します。
- ピーチメルバとはどのようなスイーツか?
- ピーチメルバの名前の由来
- 「メルバ」と名付けられた他の食品
これらの情報を詳しく解説するので、ぜひご覧ください。
ピーチメルバとは?
ピーチメルバは、バニラアイスクリームにシロップ漬けの桃をのせ、ラズベリーソースをかけたデザートです。
このスイーツは、1893年にロンドンのサヴォイ・ホテルのシェフ、オーギュスト・エスコフィエという人物によって考えだされました。
バニラと桃の甘さにラズベリーソースの甘酸っぱさが加わることで、絶妙な味わいが楽しめます。
メルバとはオペラ歌手の名前
「ピーチメルバ」の「メルバ」という名前は、材料や味ではなく、有名なオペラ歌手ネリー・メルバ(Nellie Melba)から取られています。
ネリー・メルバは、1880年代から1920年代にかけてヨーロッパで活躍した著名なソプラノ歌手です。
彼女の歌声に感動したエスコフィエが、このスイーツを創作しました。
ピーチメルバの誕生とオペラ歌手への敬意
1890年代、ロンドンで活躍した著名なオペラ歌手、ネリー・メルバは、リヒャルト・ワーグナーのオペラ「ローエングリン」に出演しました。
このとき、シェフのオーギュスト・エスコフィエは彼女からオペラの招待を受け、その歌声に心を打たれました。
サヴォイ・ホテルでのお祝いの宴では、エスコフィエが「ローエングリン」に触発されて特別なデザートをネリー・メルバに贈りました。
オペラの中の「白鳥に引かれた小舟に乗る騎士に歌を捧げる」というシーンをイメージして、白鳥の形をした氷菓子を作り、その翼にバニラアイスを添え、桃でトッピングし、糸飴で装飾しました。
この美しいデザートに感動したネリー・メルバがエスコフィエに名前を尋ねると、「ピーチ・メルバ」と名付けることを提案しました。この名前が定着しました。
このデザートは宴の参加者からも大絶賛され、後に多くの人が作りやすいようにシンプルなレシピへと進化しました。
バニラアイス、桃、ベリーソースがあれば、このデザートを作ることができます。ぜひお試しください。
「メルバ」と名付けられた様々な食品についてご紹介します。
メルバトースト
このトーストは、有名なオペラ歌手ネリー・メルバに因んで名付けられました。
彼女の好みに合わせて開発されたこのトーストは、食パンを薄くスライスしてカリカリに焼き上げたものです。
ネリー・メルバは普通の柔らかいパンよりも、このようなカリカリとした薄いトーストを好んだため、彼女の名前がこのトーストに付けられました。
メルバソース
ネリー・メルバが直接このソースを好んだかどうかははっきりしませんが、メルバソースは彼女の名を冠した別の食品です。
ラズベリーとアカスグリを使用したこのソースは、甘みと酸味が特徴で、特にスイーツに適しています。
ピーチメルバには伝統的にラズベリーソースが使われますが、メルバソースも良い代替品となります。
メルバ・ガーニチャー
オーギュスト・エスコフィエは、ピーチメルバに限らず、ネリー・メルバにちなんだ他の料理も考案しました。
その一つがメルバ・ガーニチャーで、トマトと鶏肉、トリュフ、キノコを混ぜ、ヴルーテソースで仕上げた料理です。
このヴルーテソースは、バターと小麦粉をベースに、鶏肉や魚の出汁で作られるフランス料理の定番ソースです。
この料理はあまり一般的ではないものの、トマトと鶏肉の美味しさが特徴です。
まとめ
まとめとして、ピーチメルバやそれに関連する料理には、興味深い歴史とストーリーが込められています。
ピーチメルバは、オペラ歌手ネリー・メルバへの敬意から生まれた、バニラアイスクリームと桃、ラズベリーソースを使った洗練されたデザートです。
このスイーツは、オーギュスト・エスコフィエによって考案され、ネリー・メルバの名前を冠して広まりました。
さらに、メルバトーストやメルバソース、メルバ・ガーニチャーなど、彼女の名を冠した他の料理も存在し、それぞれに独自の魅力があります。
これらの料理は、美食の歴史の中で特別な位置を占め、今なお多くの人々に愛され続けています。