蕎麦(そば)は、その独特の風味と健康に良い効能で知られる食品です。特に専門店の手打ちそばは、シンプルながらも深い味わいが魅力です。
中でも、「二八そば」という種類がありますが、これは一体何なのでしょうか?また、他のそばとはどのように違うのでしょうか?
二八そばの定義とその起源について
「二八そば」とは、そば粉と小麦粉の比率が特徴の一種のそばです。
他にも十割そばや田舎そば、更科そばなどがありますが、二八そばはそば粉を8割、小麦粉を2割使用して作られています。
この名前の起源には、2つの説があります。
江戸時代に庶民に広まったそばは、当時のファストフードとして大変人気でした。
その時代の一杯の価格が十六文であったことから、「2×8=16」という計算で「二八そば」と呼ばれるようになったという話もあります。
ただし、どちらの説が本当かは明確ではありません。
ただ、物価の変動や品質の変化に関する記録は残されています。
結局のところ、二八そばは江戸時代から多くの人々に親しまれてきたことは間違いないのです。
十割そばと二八そば:特徴と違いについて
「十割そば」について
「十割そば」とは、そば粉だけを使って作られるそばの一種です。
このそばには、小麦粉のようなつなぎ材料を使用せず、そばの本来の風味や味わいが強調されます。
そばを愛する人々の中には、この純粋な形のそばを最も本格的だと考える人もいます。
ただし、十割そばを製造する過程には難しさが伴います。
そば粉には小麦粉のようなグルテンという粘着性の成分が少ないため、麺を作る際にまとまりにくく、茹でるときに切れやすい問題が生じることがあります。
十割そばと二八そばの違い
外見や食感、味に関して、十割そばと二八そばにはいくつかの違いがあります。
外見における違い
- 二八そばはより細い形状
- 十割そばは比較的太い
太い十割そばは、細くすると茹でた際に切れやすくなるためです。
食感の違い
- 二八そばは滑らかで、しっかりとした食感があり、そばの香りも楽しめます
- 十割そばは表面が少々ざらつき、噛むと口の中でぱっと切れることがあり、その際にそば特有の濃い香りが広がります
どちらを選ぶかは好みによります
- 滑らかな食感とのど越しを好むなら二八そば
- そばの本来の香りと特有の食感を求めるなら十割そば
これらのポイントを押さえておくと、自分の好みに合ったそばを選ぶ際に役立ちます。
スーパーマーケットでのそばの特徴と選び方
スーパーマーケットで見かけるそばは、専門店のそばと比べると香りが控えめな印象を受けることがあります。
これは、そば粉の含有量が比較的少ない商品があるからです。
市販のそばには、種類によってそば粉の割合の基準が設けられています。
たとえば、生麺の場合は小麦粉が70%以下、そば粉が30%以上なければ「そば」と表示することは認められません。
しかし、公正取引委員会の認証マークがない製品では、この基準を満たしていなくても「そば」と表記されていることがあります。
即席麺(カップ麺)は、そば粉を30%以上含む場合のみ「そば」と名乗ることができます。
一方、乾麺(干しそば)にはそば粉の含有量に関する明確な規定がなく、少量のそしなければいけませんば粉しか含まれていなくても「そば」と表示されることがあります。
ただし、そば粉が30%未満の場合は、その含有量を表示しなければいけません。
そば粉の含有量が30%以上ある場合は、その比率を表示する義務はありません。
そのため、乾麺(干しそば)を選ぶ際には、名前だけでなくそば粉の割合もチェックすることが大切です。
そうすることで、質の高いそばを選ぶことができます。
まとめ
蕎麦(そば)には様々な種類があり、その特徴や味わいは使用されるそば粉の割合に大きく依存します。
専門店で提供される二八そばや十割そばは、それぞれ独自の製法と風味を持ち、愛されています。
二八そばはそば粉8割、小麦粉2割の割合で作られ、滑らかな食感が特徴です。
一方で、十割そばはそば粉のみを使用し、より濃厚なそばの香りと味わいを楽しむことができますが、製造が難しいという特性があります。
スーパーマーケットで販売されるそばは、専門店のものと比べるとそば粉の含有量が異なることが多く、香りや味わいに差が出ることがあります。
特に乾麺(干しそば)では、そば粉の含有量に関する規定がないため、購入時にはその割合を確認することが重要です。
結局のところ、そばを選ぶ際は、その種類や製造方法、そしてそば粉の割合を理解することが、最も自分の好みに合ったそばを楽しむための鍵となります。