3月3日のひな祭りでは、華やかな三色菱餅がお祝いの飾りとして欠かせません。
この伝統的なアイテムは、ひな祭りの魅力を一層引き立てます。
市販されるプラスチック製の菱餅もありますが、本来の雰囲気を味わうなら、やはり実際のお餅を用いるのが一番です。
ただし、飾り終えた後の菱餅の食べ方には少し迷うかもしれません。
そこで、この美しい三色が持つ意味や、美味しい食べ方についてご紹介します。
ひな祭りと菱餅：伝統的な楽しみ方とモダンなアレンジ
ひな祭りの菱餅を味わう際のコツは、まず縁起を担いで「角をちぎって丸めて食べる」ことです。
菱餅の角は厄払いの意味を持ち、角から食べることで願いを込めるのです。
さらに、角を丸める行為には、人間関係の円滑さや平和な暮らしを願う思いが込められています。
お餅として楽しむなら、昔ながらの方法がおすすめ。
普通のお餅と同じように味わえます。
例えば、大きい場合は半分に切って焼き餅にしたり、寒い時期にはお雑煮やうどんに入れて煮るのも良いでしょう。
また、ぜんざいに小さく切った菱餅を入れるのも、見た目にも美しいです。
乾燥させて砕いた後、油で揚げると独特な味わいの「菱餅のおかき」が作れます。
お餅以外にも、菱餅を模したういろうや羊羹（ようかん）も人気です。
これらは真空パックで保存が利くため、切り分けるだけで手軽に楽しめます。
また、雷おこし風の「菱おこし」もあって、食べやすくて種類も豊富です。
ひな祭りの彩り豊かな菱餅：その色彩に込められた願いとは
ひな祭りの際に飾る菱餅は、一般に赤（桃色）、白、緑の三色を用いた菱形の餅を三段に重ねて作られます。
地域によっては、白を除いた二色だったり、黄色やオレンジを加えて五色のものも見られます。
菱餅の鮮やかな色使いは、単なる見た目の美しさだけでなく、子どもたちの成長などを願う深い意味を持っています。
赤色（実際には桃色に近い）は、昔から厄除けの色とされており、桃の木が持つ魔除けの力を象徴しています。
伝統的にはクチナシの実で着色されていましたが、現代では食紅が主流です。
白色は、清潔さや長寿、子孫繁栄を表す色です。
現在は白いお餅が使われますが、昔は菱の実を加えることが一般的でした。
菱の実は長寿や子孫繁栄の願いが込められています。
緑色は、大地を象徴し、魔除けなどを意味しています。
かつては母子草が使用されていましたが、現在ではヨモギがよく使われます。
ヨモギには邪気を払うと言われています。
菱餅の菱形の形状にも特別な意味があります。
菱の実に似せた形は長寿を願う意味があり、菱は湖面で生育し、その生命力の強さが縁起の良いシンボルとされています。
また、菱形は女性を象徴し、女の子の成長や、大地を表して子孫繁栄などの象徴とされています。
ひな祭りの菱餅：伝統と意味の探究
ひな祭りの菱餅に関してさらに付け加えると、菱餅を飾る期間や位置にも意味があります。
一般的に、菱餅はひな人形と一緒に飾られ、ひな祭りが終わった後に食べられることが多いです。
この習慣は、祭りの間、家族の幸せや子どもの健やかな成長を祈願する意味が込められています。
また、菱餅を飾る際の順番、すなわち上から赤（桃）、白、緑の順に重ねるのが一般的ですが、これには天（赤）、地（緑）、人（白）を表すという考え方もあるようです。
天地人の調和を象徴し、家族の平和と繁栄を願う意味が込められています。
さらに、菱餅はその形状が魔除けとされるだけでなく、角を食べることで災いを断ち切るという風習もあります。
このように、菱餅には見た目の美しさだけでなく、多くの願いや伝統が込められていることがわかります。
この深い文化的背景を理解することで、ひな祭りの菱餅をより豊かに楽しむことができるでしょう。
まとめ
ひな祭りに欠かせない菱餅は、赤（桃）、白、緑の三色で、子どもたちの成長などを願う深い意味を持っています。
赤色は厄除け、白色は清らかさと長寿、緑色は大地の象徴として、それぞれ独自の願いが込められています。
また、菱餅の形状は長寿や子孫繁栄のシンボルであり、飾る期間や位置にも家族の幸せを祈る意味があります。
この伝統的な飾り物には、単なる食べ物を超えた、日本の文化と家族への願いが込められているのです。
ひな祭りの菱餅を通じて、その歴史的な背景や文化的な価値を理解することで、祭りの意義をより深く感じることができるでしょう。
